宇都宮パルコと私の青春が終わるの
さっき、宇都宮パルコからLINEが来た。
「宇都宮パルコは2019年5月31日をもちまして閉店いたしました。
1997年3月の開店以来、世代を超えてたくさんのお客様からご支持とご愛顧をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。
22年という長きに渡り、宇都宮パルコをご愛顧頂きまして、誠にありがとうございました。」
そっか。5月が今日で終わりってことは、宇都宮パルコ閉店しちゃったんだ。
ていうかパルコ、私と同い年だったのか。知らなかった。
ここ数年、パルコからLINE来ても読まずに消しちゃってたし、閉店するのは半年前くらいから知ってたのに結局一回も行かなかった。
パルコと私の関係は、そんなもん。
それなのに、今日はちょっとだけ泣いてしまった。
初めてパルコに行ったのは小学6年生のときだったからもう10年も前なのに、今でもはっきりと思い出せる。
人より身体が大きくてついに子供服の丈が足りなくなった私の次なるお買い物の場が、パルコだった。
ドキドキしながらエレベーターを降りた先の地下一階は、お店も、お洋服も、店員のお姉さんも、お姉さんの爪もぜんぶがぜんぶキラキラしていて眩くて、意味わからん音量で流れてる洋楽がもっと私をドキドキさせて、まるで夢の世界みたいだった。
セシルマクビーもリズリサもグラッドニュースも雑誌でしか見たことがなくて、「ほんとうにあるんだ!」ってびっくりした。
どの服も今までに見たことないくらい可愛くてかっこよくて、ここが私のクローゼットだったらどんなにいいだろう、そんなことを思いながらも真剣に選んだ1着は結局丈が短すぎてあんまり着なかったんだけど、ちゃんと覚えている。
それから大学生になるまで、パルコでたくさんのお洋服を買った。
お洋服には、いろんな感情の思い出がある。
その時どんなこと考えて、どういう服を選んだのか、そんなことを思い返すだけでなんだか切なくて、お洋服だけじゃなくて、お母さんとグラタンとフルーツサンド食べたことも、友達の誕生日プレゼント選んだことも、高校の時の彼氏のバレンタインデーの材料買ったことも、いっぱい思い出して、泣いてしまった。
いつのまにか、パルコで買う服がなくなるくらい大人になっていた。
今日、私の青春は同い年の宇都宮パルコと一緒に死んだのかもしれない。
そんな悲しい日がまさに今日だったのかもしれない。
でもきっと、これからもずっと、馬場通りを通って宇都宮駅に向かう時にはちょっとだけパルコのことを思い出すのだろう。そして、青春のことも。
それくらいでいい。それくらいがいいと思う。
パルコ、ありがとう。