『男はつらいよ』博さんのプロポーズに胸キュン爆発四散
『男はつらいよ』第1作を見た。
父が愛してやまない『男はつらいよ』シリーズ。実家で時たま途切れ途切れに見ていたものの、第1作を見るのは初めて。だったのですが。これが。素晴らしかったの!!!!!
ほんとうだったらね、男はつらいよシリーズの説明とかもしなきゃ伝わらないんだろうけどね、わたしは今興奮しちゃっているのです。
いろんな諸々は省いて、まずはこの冷めやらぬ感動を共有させて。
寅さんが余計なことを言ったせいで勘違いしてしまった博さんが、さくらに別れを告げるシーンのセリフがね、もうもうもう、あまりに詩的で美しくてハイパーウルトラ胸キュンの極みだったので、思わず文字で書き起こしちゃってもいいですかというか書き起こぷんぷん丸します!!!以下!!!!!!
「僕の部屋から、さくらさんの部屋の窓が見えるんだ。
朝、目を覚まして見てるとね、
あなたがカーテンを開けてあくびをしたり、
布団を片付けたり、
日曜日なんか、楽しそうに歌を歌ったり、
冬の夜、本を読みながら泣いてたり。
この工場に来てから3年間、毎朝、あなたに会えるのが楽しみで、
考えてみれば、それだけが楽しみでこの3年間を…。
僕は出て行きますけど、
さくらさんは幸せになってください。」
も〜〜〜〜〜!博さん!!!!!!
わたし、まあこの22年間の長いような短いような人生でいろんな本やら漫画ドラマやら映画やらに触れてきましたけれども、これがベストオブベストでネバーエバーエバーエバーのプロポーズだと思います。
この映画、1969年のものって、もう半世紀前にこんな超ド級の言の葉が紡ぎ出されていたなんて、信じられない。もう、人類ってばプロポーズに関しては進化の余地がないよ…。
まず、「〜たり」連続の部分。
短いフレーズながら、情景がありありと浮かんで来るんです。
そして、魔法のような対比の構造!!
あくびで無防備なさくら、片付けで普段のしっかり者のさくら。日曜日の楽しそうなさくらに、冬の夜のセンチメンタルなさくら。
この4つで、博さんが1年を通していろんなさくらに出会えて、恋をしていたことがしっかり伝わってくる。
極め付けに、「考えてみれば、それだけが楽しみでこの3年間を…。」です。
博さんは印刷工場で働いていて、決してその仕事は楽ではなく、手もいつも真っ黒で。
そんな彼の生活に光を射したさくらへの思いを凝縮したのがこのフレーズ。
きゃ〜〜〜。何回見ても痺れる。びりびり。
人生で1回でいいから、「だけ」って言われてみたくないですか?
わたしは言われたいです。「だけ」の魔力にくらくらやられちゃいたいです。
さて、今回びっくりしたことは、博さんとさくらの馴れ初めってちゃんと描かれてたんだ!ということです。
わたしが見ていた『男はつらいよ』シリーズでは、いつも2人は既に夫婦だった。だからこそ、こんなにも素敵なやり取りがあって結婚したことに驚きました。
こうして考えてみると、身の回りでもう既に「夫婦」として認識しているたくさんの二人にも、それぞれの素敵な軌跡があるんだろうなと。
当たり前の日常に実はドラマがゴロゴロ転がってて、毎日あっちこっちでプロポーズしたりされたり繰り広げられてる、そんな様子を想像すると、世界がめちゃめちゃ輝きに満ち満ちていることに気づく。
そんなきらきらを2時間ずつに切り取っておすそ分けしてくれてるのが、映画だったりするのかなあ。
ここ1週間訳あって学校をお休みしているわたしなのですが、毎日映画を4、5本見ています。
家から1歩も出られないわたしが、カリフォルニアにも土星にも行けるのが映画です。
中でも寅さんが連れて行ってくれる1969年の柴又は、小さいけれどあたたかくてやさしいきらきらでした。これが、いちばん辞められないやつなのね。
絶対、明日『男はつらいよ』第2作を見るな、これは。