自炊を全くしていない話
自炊をしていない。
全く、していない。
いつ買ったかわからないニラが冷蔵庫の中で朽ち果て、刺激臭を放っていた。
ひえ〜。
1年前にも同様のことで悩んでいたようだ。
人の悩みというものは、繰り返すものなのだ。
言い訳をさせてほしい。
寒い。このところ寒すぎる。
何が冬将軍だ。死ね。滅びろ北極気団。
寒いと、買い物に行く気力、台所に立つ気力、お皿を洗う気力に代表される様々な気力が削がれてしまう。
その結果、私は自炊はおろか、ごろっとグラノーラに豆乳をかけることさえ億劫になり、パンかコンビニ弁当の2択という恐ろしい状況に陥っている。
彼氏の料理がうまい。
本当にうまいのだ。
私がやるより圧倒的に美味しい料理が、圧倒的スピードで提供される。
ここまでのレベル差を見せつけられれば、「負けない☆」などという対抗心は全くメラメラせず、ただただ感謝をするのみだ。
そんなこんなで、全く自炊をしていない。
しかし、今回の私はそのことについてそこまで悩んでいないのだ。
適材適所という言葉がある。
なんと素晴らしい言葉だろう。
料理が苦手ならば、他にできることを探せばいいじゃない。そう言っているのだ。
お皿洗い係、盛り付け前にお皿を持つ係、冷蔵庫からマヨネーズを取り出す係…。
私の前には、無限の可能性が広がっている。
私の個性がキラリと光る分野がきっとあるはず。
ゆっくりでもいい。それを探しに行くんだ。
そう決めた今夜、手際のいい彼氏はすでにマヨネーズを取り、盛り付けを終え、お皿洗いを始めていた。
女子力って何